MARK2 QUALIS ブレーキキャリパーオーバーホール

嫁と近場に出かけていて、家に帰ってきて嫁が降りると、「臭い」と一言。

30過ぎたし、仕方ないとは思っているが…どうも加齢臭ではないようだ。助手席側に行ってみると、確かに臭い。

この臭いは、クーラント漏れ、オイル漏れではない事は確か。どうも左フロントホイール付近から匂っている模様。なんか嗅いだことがある匂い。まさかと思い、キャリパーを触ってみると、指先が火傷。ホイールもかなり熱い。他のキャリパーは普通に触れる温度。先ほどのお出かけでは、ハードなブレーキングはしていないので、確実にブレーキの引きずりです。ジャッキアップしてみると、本気でようやくタイヤが回る具合。

Dラーにて、キャリパーオーバーホールキットを注文→翌日に到着。夜勤明けで作業開始。

ジャッキアップ+タイヤはずし。

キャリパーを外します。

裏側のネジ2本です。

ブレーキラインのフレアナットを外し、キャリパーを車体から分離。

ここで問題発生。ブレーキフルードが永遠に出てきます。バイクのキャリパーOHの時は、こんなことは無かったのに。

リザーブタンクのフルードがなくなると、マスターシリンダーにエアーが噛んだり、ABSラインにエアーが噛んだり、私の技術では手に負えなくなる。

どうしていいか分からず…。もしかしたらキャリパーのオーバーホールは、フルード垂れ流状態でみんなやっているのか、とも思いなが作業・・・。しかたなく、減った分のフルードを継ぎ足しながら作業をします。フルードの残量が気になり、プレッシャー満載の大変な作業となります。作業上級者になれば、消費するフルード量が少なくなるのかと、いろいろ考えながら・・・。

タイヤ用の空気入れで、ピストンを押し出そうとしたが、ビクともせず。

しかたなく、再び、ブレーキラインに取り付け、ブレーキを踏み×数回、ピストンを取り出しました。

かなり錆びていて、これなら引きずっていた事が、納得です。

キャリパーは、水道水で洗います。

ピストンを、耐水ペーパー♯1000で、綺麗にします。磨く方向は、周回方向だけにしました。その方向なら多少傷付いても、オイルシールからフルードが漏れることはないでしょう。

洗浄後は、パーツクリーナで水分を飛ばします。オイルシール、ダストシールを取りつけます。フルードの残量管理で写真をとる余裕が…。

スライドピンも再グリスアップして、ここのダストブーツも交換します。

スライドピン部分の、新品ダストブーツは手では入らなかったので、ハンマーで叩いて、何とか。

この後組み付けて、エアー抜きをします。

ワンマンブリーダをもっているが、一人ででは完全にはエアー抜きは出来ないよう気がします。見かけ上、ワンウェイバルブがあり、フルードもエアーも戻らず大丈夫そうに見えるが、フルード排出口のネジ部分からエアーを吸いそうで・・・。

今日も明日も暇そうな人は居ないので、一人エアー抜きを考案→ブレーキを踏んだ状態に固定して、フルード排出口を緩めて、フルードを抜いて、締める。ブレーキを解除して、再び踏んだ状態で固定、フルード抜き繰り返し、エアーが出なくなるまで。

左前完了。

右前もやります。

左前ほどではありませんが、こちらも結構な汚れ具合。7ヶ月前に、フルード全量交換したのに、この有様。

キャリパー洗浄後、新品のオイルシールを取り付けます。ワイヤーブラシを使うのが怖くて、オイルシールより手前の錆が落とせず。

こんな感じに取り付け、グリスを塗ります。

ダストシールの取り付け。

この取り付けが、手こずります。

画像では、一応は取り付けたが、左下の部分が綺麗にはまっていません。細いものでこじってなんとか、取り付け。

フレアナット部分のガスケットも新品にします。

右前完了。

キャリパーオーバーホールで一番面倒なのは、キャリパーの塗装が剥がれてしまうこと。フルードが必ずくっ付くので、塗装がはがれるし、叩いたりするので、それでもはがれます。

で、1日目終了。

フルード垂れ流しのせいで、1.5Lもフルードを無駄にしてしまった。車に詳しい奴に聞くと、ブレーキを踏んだ状態にすれば、フルードは止るとの事。

くそ〜、自分があほすぎる、思いつかなかった。

翌日、左後ろから作業。

キャリパーを分解。ブレーキラインからはまだ外してません。

ブレーキを数回踏んで、ピストンを押し出します。

フルード垂れ流しを防止するため、ブレーキを踏んだ状態にします。

これで、ブレーキラインからキャリパーを外しても、フルードがもれてきません。この漏れが無くなっただけで、キャリパーのオーバーホールはこんなにも簡単になるとは・・・。

スライドピンのダストシールの取替え。方向を間違えないように写真撮影。

スライドピンもふき取り、グリスアップ。

しかし、純正パッドって減りませんね。この減らないせいで、ピストンがいつも同じ位置にいて、オイルシール外側部分が錆びて、引きずりになるのかもしれませんね。

リアピストンは殆ど汚れていませんでした。リアはオーバーホールはしなくても良い状態でした。

画像は洗浄後。

オイルシールを取り付け、ピストンを押し込みます。フロントにくらべて外径が小さいので、かなり楽に入ります。

フルードも垂れ流し状態じゃないと、楽(笑)

ダストシールを取り付け。

左後ろ、オーバーホール完了。

ラスト、右後ろ。

もう、大分慣れました。

スライドピンを組み付け。

 

最後の大仕事、キャリパーの再塗装。

4箇所全部塗りなおして、完了。

塗装まで含めると、昨日と今日の2日間で7〜8時間ぐらいかかっています。

エアー抜きは忘れずに行いましょう。

戻る